2024.06.20

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「大人が挑戦する姿はきっと子どもの希望になる」参加者が語る海外の児童福祉に特化した研修の魅力とは【海外研修だよりvol.1】

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資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

「海外研修だより」とは

公益財団法人 資生堂子ども財団が主催する資生堂児童福祉海外研修に参加した団員にインタビューを行い、研修の感想ややりがいなどを聞くコラムシリーズのこと。実際に研修に参加した方の言葉を通して、海外研修の様子をお届けします。
第1回目のゲストは第47回(2022年度)資生堂児童福祉海外研修団員の倉成祥子さんです。

第47回(2022年度)資生堂児童福祉海外研修について

倉成さんが参加された第47回海外研修の研修国はオーストラリアでした。オーストラリアは長年、家族や親族、地域の資源をベースにした家族支援を重視してきた国です。本研修では新型コロナウイルス感染症の状況も落ち着きを見せ、3年ぶりに現地に渡航し、研修を行うことができました。

研修名   第47回(2022年度)資生堂児童福祉海外研修
研修国   オーストラリア(ニューサウスウェールズ州シドニー)
研修団員数   10 名(団長、特別講師、団員8名)
研修期間   視察研修:2022年11月21日(月)~25日(金)
  リモート研修:2022年12月2日(金) 
  ※ほかに事前研修・事後研修も実施
研修テーマ   「地域における家族支援」、「アドボカシー」、「早期介入・支援と連携のための情報共有」

「海外研修だより」Vol.1
児童養護施設職員として海外の児童福祉を学ぶ意義とは

第1回「海外研修だより」のゲストとして、倉成さんに6つの質問にお答えいただきました。倉成さんの想いや新しい気づきが詰まったインタビュー、是非ご一読ください!
※本記事に掲載されている写真の無断転用はお控えください。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

1.倉成さん、現在のご職業を教えてください

(倉成さん)神戸実業学院という児童養護施設で、児童指導員として地域小規模グループケアの担当をしています。皆さんが想像されるような子どもたちの生活支援全般のほか、神戸実業学院で長年取り組んでいる「よさこい踊り」の運営委員の役割も担っています。「よさこい踊り」には施設の子どもたちだけではなく地域の子どもたちや施設の卒業生も参加していて、地域のクラブチームとして神戸市近辺でのイベントや地域のお祭りに年間20件ほど出演しています。子どもたちが踊りを通して少しずつ自信をつけていく姿、お互いに助け合う姿が、私の大きなやりがいとなっています。

2.海外研修にはどのようなきっかけで参加を決意されたのでしょうか

(倉成さん)資生堂子ども財団さんが児童福祉の海外研修を実施していることは以前から聞いたことがあり興味をもっていました。ホームページで過去の研修内容を調べてみたことも何度かあり、ハードルが高そうだなあと感じながらも、いつか参加できたらいいなあと思っていました。施設では慌ただしく充実した日々を過ごしながらも、毎日さまざまな問題にぶつかっています。簡単には解決できないことも多々あり何か突破口が得られればと思っていたときに、副施設長から「海外研修に挑戦してみる?」と声をかけてもらいました。募集要綱の研修内容には「家庭支援」や「早期介入」など興味のあるキーワードが多数あり、視野を広げられるきっかけになればと思い応募しました。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

3.本研修について、特に高く評価する点は何ですか?

(倉成さん)現地の文化を感じながら研修に臨めること、現地の方々と直接お話ができることが最大の魅力だと思います。オーストラリアでは歴史的な経緯から、会合の始めにその土地の元々の所有者(先住民)への敬意を表すことが通例となっていて、そのような言葉を研修中何度も耳にしました。これは現地の方々と実際に顔を合わせてお話する機会をいただけたからこその経験だと思います。報告書作成には苦戦しましたが、研修をじっくりと振り返る時間をもち、対外的に報告できたことで学びがより深まりました。団長や特別講師の先生方からのたくさんのご助言、資生堂子ども財団の皆様からの手厚いサポートも大変ありがたかったです。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

4.研修中、特に印象に残った思い出やエピソードはありますか?

(倉成さん)日中はプログラムがびっしりと詰まっていましたが、早朝や夕方の空き時間を利用して宿泊先近辺を散策しました。行き先を決めずに1人で街並みを楽しんだ日もあれば、何名かで電車に乗り少し遠出した日もありました。研修は11月、クリスマス前。オーストラリアのクリスマスは夏なのに雪の装飾も多いなあと不思議に思った記憶があります。街には本屋さんが何軒かあり本好きとしてはテンションが上がりました!研修最終日には団員何名かと一緒にショッピングセンターの中にある紀伊國屋書店に行きました。日本の漫画がたくさん置いてあることや、多様性について書かれた絵本のコーナーがあることなどに驚き、漫画や絵本を何冊か購入して帰りました。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

5.さまざまな学びを吸収した後、ご自身のキャリアや価値観などにおいて変化したことについて教えてください

(倉成さん)オーストラリアの児童福祉の歴史的背景と現在の制度・施策を同時に学ぶことができ、その時代、その場所に寄り添った支援の重要性を実感しました。これからも変容し続けていく社会の中で、画一的な支援をするのではなく、その時代、その地域、子ども一人ひとりをきちんと理解し、それぞれが必要とする支援を行えるように努めなければならないと改めて感じました。団員同士でも「多様性」について話す機会が多く、「当たり前」は一人ひとり違うということを念頭に置き、価値観が違っていても対話を諦めないということを、以前よりも意識するようになりました。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

6.最後に、海外研修への参加を検討されている方にメッセージをお願いします

(倉成さん)海外研修は海外の児童福祉の現状や課題を学ぶとともに、日本の現状、自施設の現状、自分の現状を客観的に見つめ直すことのできる絶好の機会です。私は海外研修に参加して、自分自身が児童福祉の世界を志した原点を思い起こし、これからどのように子どもたちに寄り添ったケアをしていけるのかということを、以前よりも多様な視点から考えるようになりました。また、さまざまな出会いも貴重な財産になりました。海外での研修ということで不安を感じる部分もあるかもしれませんが、ここでしかできない経験がたくさんあります。なにより、我々大人が何かに挑戦する姿はきっと、子どもたちにとっても希望となるはずです。

資生堂子ども財団「海外研修だより」vol.1 掲載写真

「海外研修だより」Vol.2は今年秋頃公開予定です。お楽しみに♪

さらに詳しく海外研修を知りたい方へ

海外研修を通して得られた貴重な知見は、各回の研修参加者が「海外研修報告書」としてまとめています。資生堂子ども財団のホームページでは、これまで発行した海外研修報告書をすべてご覧いただけます。
海外研修報告書一覧はこちら

さらに研修報告書の膨大な情報からエッセンスを抽出してご紹介する「海外研修ダイジェスト」もご用意しています。海外研修ダイジェストは、各回の研修テーマと時代背景の考察と過去の研修の内容紹介という2つのコンテンツで構成されています。
第47回海外研修のダイジェストでは、今回のゲストである倉成さんがご執筆された研修成果についてのコラムもご覧いただけます。
海外研修ダイジェストはこちら

公益財団法人 資生堂子ども財団について

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公益財団法人 資生堂子ども財団は、株式会社資生堂創業100周年記念事業として、1972年に設立されました。「すべての子どもが笑顔にあふれ、自分らしく輝く社会へ」をビジョンに掲げ、「⼦どもへの⽀援」「子どもを育む職員への支援」「情報発信・共有」の事業に取り組んでいます。

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